回避性人格障害 | シャイ・敏感で自信が無い

孤立グループの一員

 回避性パーソナリティの最も根本的なことは、パーソナリティを大きく分類した場合、社交を嫌い孤独を志向する孤立グループに属するパーソナリティだということです。

 この孤立グループにはシゾイドパーソナリティと回避性パーソナリティが含まれます。両者には大きな違いがあります。
 シゾイドパーソナリティは最初から人間嫌いあるいは他人に感心がなく、交流を煩わしく思っての孤立志向です。
 これに対して、回避性パーソナリティは他人との親密な関係を求めているという点でシゾイドパーソナリティとは異なります。
 ただ、回避性パーソナリティは他人との関係の中で傷つくことを怖れる気持ちが強く、それを避けようとして、孤立の路を選ぶのです。いわば、回避性パーソナリティは結果として孤独を志向するのであり、シゾイドパーソナリティのように根っから他人に無関心というわけではありません。

 シゾイドパーソナリティの内面は感情の起伏が平板ですが、回避性パーソナリティの心の中には、相手に近づきたい、出会いたいという他人を求める気持ちと、傷つくのは怖い、他人から距離を取りたいという気持ちの両方とも非常に強く、それが葛藤をきたしているドラマティックな世界です。

 クレッチマーが分裂気質の特徴として「鈍感さと敏感さがある」としました。回避性人格障害の提唱者のミロンは、クレッチマーのいう分裂気質を鈍感なグループと敏感なグループに分けました。回避性パーソナリティの方は敏感過ぎるがゆえ、人間関係を苦痛に感じてしまいます。

本当は「出会い」を求めている

 一方では、回避性性格者は信頼できる人と出会いたいという、非常に強い気持ちをもっています。が、一方で回避性性格者はもうこれ以上傷つけられたくないという気持ちも同時に強いのです。この二つの気持ちはどちらも強いのです。そこで結局回避性性格者は他人の前で葛藤してしまい、これを言ってもいいのか、言ってはいけないのか、近づいてもいいのか近づくべきではないのか、というような葛藤にとらわれてしまい、周りから見ると何かおどおどしているような、そんな印象を与えてしまう結果になるのです。

 回避性性格者は本物の深い信頼関係を真剣に求めている一面があります(あるべき人間関係をやや理想化して夢見ていることもあります)。そのため、彼らが特有の葛藤を乗り越えて他人と信頼関係を結ぶことに成功した場合には、深い関係を持つことに成功することがあります。

DSM-5による診断基準

 DSM-5による診断基準は以下の通りです。

社会的抑制、不全感、および否定的評価に対する過敏性の広範な様式で、成人期早期までに始まり、種々の状況で明らかになる。以下のうち4つ(またはそれ以上)によって示される。
(1)批判,非難、および否定的評価に対する恐怖のために、重要な対人接触のある職業的活動を避ける。
(2)好かれていると確信できなければ、人と関係を持ちたがらない。
(3)恥をかかされる、または嘲笑されることを恐れるために、親密な関係の中でも遠慮を示す。
(4)社会的な状況では、批判される、または拒絶されることに心がとらわれている。
(5)不全感のために、新しい対人関係状況で抑制が起こる。
(6)自分は社会的に不適切である、人間としても長所がない、または他の人より劣っていると思っている。
(7)恥ずかしいことになるかもしれないという理由で、個人的な危険をおかすこと、または何か新しい活動にとりかかることに、異常なほど引っ込み思案である。