摂食障害の個人的原因 | 拒食・過食になる人の遺伝・性格特徴はこれ


摂食障害になる人には個人的な遺伝的・性格的な特徴があります


同じ「やせ礼賛文化」の中で摂食障害にならない人、なってしまう人の間には個人差がある

 フィジーの研究でも明らかなように、TVの普及ということをきっかけに摂食障害が広がりました。殆どの拒食症がダイエットをきっかけに始まります。
 このように環境要因が発症に大きく影響します。しかし、フィジーの人々がみな摂食障害になったわけではありません。フィジーでも先進国でも「やせ礼賛」のメッセージが降り注ぐ中で摂食障害が広がりましたが、同じメッセージをあびせられても摂食障害になる人は一部でしかありません。

 同じ環境要因の元にあっても、皆が皆、摂食障害になるわけではありません。体重に無頓着な人もいます。ダイエットをする人の中にも、もちろん拒食症にならない人はたくさんいます。
 やせ礼賛文化の中で摂食障害になってしまう人には、ある特徴を持っています。言い換えれば、「摂食障害になりやすさ」ともいうべき個人的特徴があるのです。
 摂食障害の人の特徴は、遺伝的特徴と性格的特徴の二つに分けられます。

「遺伝的要因はある」とされています

 一卵性双生児(遺伝子情報がコピーで全く同じ双子)と二卵性双生児(「お兄さんと弟が一緒に生まれた」ようなもので、遺伝子情報は異なる)の間を比較すると、一卵性双生児の一方が摂食障害になり更にもう一人も摂食障害になってしまうという確率は、二卵性双生児が二人とも摂食障害になる確率よりも高くなっています。これは、摂食障害には遺伝の影響もあることを示しています。

 DSM5では、摂食障害(神経性やせ症)の第一度親族は同じ神経性やせ症を患うことが多い、とされています。また、自分で嘔吐したり浣腸したりというような人工的な手段まで用いるタイプの神経性やせ症の第一度親族には、うつ病の発症頻度が高いとされています。

性格面での摂食障害の遺伝的要因

 摂食障害の遺伝的要因は,漠然とした表現になりますが、とりあえず「不安障害やうつ病,強迫性障害などの精神疾患を引き起こしやすい遺伝的特徴」であると理解しておきましょう。

 また、研究者の中には、摂食障害とは飢えと充足のシグナルが正常に機能せず食行動に問題が起こる障害であると考え、摂食障害の背後には「今、おなかが一杯なのか、空いているのか」という感覚へのセンシティビティーが弱いという体質的な遺伝的影響もあると想定する人もいます。

摂食障害になりやすい人の心理的特徴はこうして形成される


愛着形成の不全という生育史


  心理的要因として重大なのは「愛着形成」の問題です。

 摂食障害の子供は親との絆が健全に発達しなかった子供達がなるという説があります。
 愛着形成には,親が子供との関係を築きにくい場合もあれば,子供が親に対して関係を築きにくい気質も生得的に持っている場合もあります。そして親も子もどちらも関係を築きにくい気質をもっている場合もあります。
 いずれにしても親子の絆が健全に育たないのです。

 愛着の障害は子供のその後の人生に大きな影響を及ぼしていきます。

摂食障害の性格特徴-周りの期待に過剰に応える

 摂食障害の人達の特徴は「親との甘い絆」を形成出来なかった人達です。だからひとことでいえば「甘えない子」です。相互に依存するということを生まれた時から知らないで育った子供です。

 極度にコントロールしたがる、自己完結的,強迫的傾向,完全主義,禁欲主義,白か黒か(オールオアナッシング)の思考を持っています。

 自分の内的感覚に疎く,極端に外的基準に自分を合わせてそれが成功となる生き方をします。だから周りからみたら「よい子」です。

頑張り屋なのに、いつまでたっても自信が持てない

 しかし,自尊心が病的に低く,いくら成功を収めてもまるで達成感がない,いつまでも「もっと,もっと」と自分を駆り立てストレスをため込んでいます。

 たとえて言えば,「95点とっても100点でなければ0点と同じ」
 どうですか。こんなお子さん。幸せだと思いますか?
 こういう子供は優等生として,親のプライドを満たしてくれることでしょう。
 しかし,本人は全然満足しないで頑張って,もっともっとと目標をつり上げていく。いつもこころはストレスフルな飢餓状態です。
 もし,こんなお子さんに周囲が期待をして「頑張れ」と拍車をかけたら,ただでさえ低い自己評価しかないのに,「まだ努力が足りない」とストレスを感じてしまうでしょう。

摂食障害系男子・女子に通じる性格特徴-強迫性

百点主義を全ての分野に拡大しがちな拒食系男子

 この期待は,学業だけでなくスポーツや習い事にも及ぶことがあります。とくに,運動障害と摂食障害とはセットになることが多く,他でも述べる「摂食障害系男子」にも拡大しています。

 文部両道とは聞こえはいいが,セットで期待されると恐ろしいものです。なにしろ,中学生向けの某通信教育では「部活も勉強も出来るカッコイイ俺,モテモテの俺」が売り文句ですからね。親も子も教師もみんな文部両道の落とし穴にはまってしまいます。

男女問わず底に潜む「全てに百点」幻想

 摂食障害系男子にはすべてにおいて完璧でなければならないというスーパーマン幻想が根底にあることがありそうです。

 摂食障害になりやすいもう一つの特徴は、強迫的傾向なのです。つまり、完全を求め、90点を100点にしないと気が済まない性格的特徴です。

拒食症・過食症の性格傾向の違い

 摂食障害は神経性拒食症や神経性過食症,過食症その他の摂食障害があります。これらは摂食障害スペクトラムとして両極としてします。
 キャロリン・コスティン(2007)は神経性拒食症と神経性過食症の性格を「カメとウサギ」にたとえています。摂食障害の方はこのカメとウサギの間にいます。

 カメ性格の神経性拒食症

・強迫神経症
・新しいことを恐れる
・拒絶に敏感
・完全主義
・コントロール中毒

 ウサギ性格の神経性過食症

・衝動的
・新しがり屋(新しい事を見つけると好奇心が刺激されてあまり考えないで行動する)
・リスクをとる可能性が高い。
・社交的