摂食障害の満腹感覚の回復 | 本当に食べたいものを食べながら克服

現代人は,何が食べたいのかわからない-崩食の時代に

 伊達友美さんは,摂食障害から回復した管理栄養士で,ダイエット・カウンセラーです。
 伊達さんは,たくさんの方々の食事相談にのってきました。
 彼女の治療哲学は,「自分の意思で食べなさい」です。しかし,多くの相談者はそういう意思がない,マンネリ化していると言います。中には「好きな食べ物は何か」と訊かれて,混乱してしまう人もいるそうです。
 これだけ,便利で不自由がない時代だからこそ,逆に食に対する本能的な感覚が鈍くなっているのかも知れません。
 それでも,栄養士に相談にもってもらう人は,まだ食について意識の高い人達です。
 今や崩食の時代。朝ご飯に,菓子パンやケーキが出てきてもおかしくない時代になりました。昔懐かしい,ご飯にみそ汁,納豆,卵,副菜という朝ご飯はもしかしたら少数派になっているかもしれません。(この件は岩村暢子さんが調査して本にしています。)
 身体感覚を回復させる統合的なアプローチも有効です。
 鍼灸,マッサージやヨガなどのボディワーク,タッチングセラピーなどの身体に働きかける治療も有効です。またアニマル・セラピーも有効です。リラクゼーションを伴うイメージ療法は実に過食嘔吐の人に75%効果が出たそうです。
 私はイメージ療法をよく技法として使いますが,この方法はご家庭でもできます。マーティン・ロスマンやサイモントン,ディナ・グローバーマンらの著書は日本でも翻訳されています。こうした本を読んでイメージ誘導しましょう。一番オススメはロスマンの「安全な居場所」です。
 さて,統合医療では食べる行為自体が聖なるものであり,食べ物は薬です。医食同源。伝統的な日本食と文化は,たくさんの医学的な知恵の宝庫です。例えば,秋刀魚と大根おろしを一緒にとると,消化吸収が良い,冬至に柚味噌を食べて,お風呂に柚を入れる。どんな民族もその土地に根付いた食と文化を持っています。それは,薬がない時代にどうやって病気を防ぐのかという予防医学でもあったわけです。この視点は再発見してもいいのではないかと思います。

過食衝動を自分で抑える方法 | 食べてしまう前に別の行動をはさむ

 キャロリン・コスティンはたくさんのスキルを身につけるためにいろんな行動の契約をすることにしています。そして契約にサインをし,クライアントとセラピスト両方でその契約を共有します。
 行動の契約には,以下のものがあります。
 ・注目を浴びるのにもっと健康的な方法をとる
 ・吐きそうになったら,吐く前にスタッフに電話する
 ・運動しない日を作り,別の事をやる(例,自分を大切にする時間をとるとか瞑想するなど)
 ・大切な人に手紙を書く等

 別の事をやると別の感情が起こります。こうしたバラエティをたくさん作り,健康な自己を強くし,最終的には自己コントロールが出来るようになるのが目標です。

 成瀬悟策は「自己コントロール」という本の中で,「衝動的な気持は,10分もすればおさまるものだ」と述べています。
 摂食障害に限らず,「あっ,これはいつもの悪いパターンにはまりそう」と思ったら,まず,別のことをやりましょう。
 ・足湯につかる(好きな音楽を聴いたり,雑誌を見ながら)
 ・足裏マッサージやふくらはぎマッサージ,顔のマッサージ,
 ・リラクゼーション音楽を聴く
 ・コラージュを作成する。(いらなくなった雑誌から好きな写真や文字を切り取り,画用紙に貼り付ける)
 ・新聞紙を思いっきり破く。(新聞紙を広げて,家族に持ってもらってパンチしたりチョップする,好きなように破いて下さい)
 身体に働きかけるのは一番効果が高いです。深呼吸だけでもいいです。
 なお,キャロリン・コスティンは「イメージ療法(リラックスして安心出来るようなイメージを想像する)」が過食・嘔吐をやめるのに74,5%のがあったという研究を報告しています。家族に協力してもらってイメージ誘導してもらいましょう。