摂食障害への接し方 | 過剰なコントロールから脱却する応答テクニックはこれ

関係は絆を結び直すように,しかし応答はノン・アタッチメントで

 
 摂食障害の治療の本質は,コントロールとの戦いです。
 ただし,コントロールとの戦いは,クラエアントの「健康な自己」対「摂食障害自己」であって,クライアントとセラピストとの間で行われてはいません。
 ところが,セラピストも家族も往々にして,このコントロールの戦いに巻き込まれて,燃え尽きてしまうことが多いのです。
 気づかぬうちに,互いに権力闘争していた,ということにならないようにするために注意が必要です。
 逆に言えば,摂食障害とは,実に手強く,容易に周囲を疲れはてさせる巧妙さを持っています。
 キャロリン・コスティンはこの道30年のベテランですが,彼女が,「この疲れさせる病とどう付き合ってきたか?」はセラピストや家族の方々にとても役立つことでしょう。

 ノン・アタッチメントの精神で応答する
 キャロリン・コスティンは終始一貫して「ノン・アタッチメント」の精神で摂食障害の人々と働きました。
 ノン・アタッチメント(脱・愛着)とは,仏教的,東洋的な精神です。心を読み,あるがままに受け入れ,クライアントの心理的抵抗すらも,そのエネルギーを合気道のように利用する方法です。こうした応答によって,コントロールの戦いから逃れ,燃え尽き症候群になることを防ぎます。

具体的応答例

 具体的応答例を幾つか呈示します。
例1) クライアント・・・「私は菜食主義者です」
愛着的応答・・・「菜食主義者であることは,摂食障害を形成します,制約された偏った考え方です。」
脱愛着的応答・・・「それはあなたの選択です。」
例2)クライアント・・・「私はむちゃ食いについて話したくありません。」
愛着的応答・・・「もし,あなたがよくなりたかったらそのことについて話す事は重要です。」
脱愛着的応答・・・「私はそれを受け入れるでしょう。ところで,どうして話したくないのでしょうか?」(抵抗からうまく情報を引き出します)
例3) クライアント・・・「私は体重を増やすことを望みません。」

愛着的応答・・・「あなたはよくなるために体重を増やさなければいけません。」

脱愛着的応答・・・「私はそれを理解したいです。体重を増やすことはあなたにとってどんな意味があるのでしょうか?
(これはクライアントの低体重の目的の有利な点と不利な点について議論するのに役立ちます。)

 クライアントは「私がほっそりしたら幸せになれる」と信じていることが多いのですが,頭から「そうじゃないでしょう!」と説教したり,いらだったりせず,むしろそれを逆手に取る。「そう思っているのね。ところで,どうしてそういう考え方をしたのか教えてほしいわ」くらいの気持ちで応答すると良いと思います。
 これは例えば「私が○○になったら人生が変わる」(例えば二重になったら)などとそれだけで魔法のよう解決すると言う思い込みにも役立つ応答です。その思考や行動について「そんなわけない!やめなさい!」と言いたくなるのはわかりますが,このループに陥ったら病的思考の思うつぼでしかありません。無意味なコントロール争いは避けましょう。