拒食症の弊害 | 月経・ホルモン・骨密度など体に悪影響

摂食障害とは飢えと充足のシグナルが正常に機能せず食行動に問題が起こる障害です。
 これははっきりいって病気です。
 本人が頑張っても自力では治せないものです。治療が必要です。 この障害は内科・歯科・精神科的等様々な合併症を引き起こします。そればかりか,とくに拒食症(神経性無食欲症)の死亡率は約20%に及びます。これは精神疾患の中でも高い数値です。
 摂食障害は痩せ志向の現代では、大変ありふれた病気になりました。
 最近では,昔に比べ大人から子供までやせている人の方が増加しているように見えます。モデルもタレントもみんなやせています。
 みんながやせている,私もウチの子もやせている,旦那もメタボでないわ-しかし,だからといってこの病気を甘く見ないで下さい。
 とくに成長期の子供が摂食障害になると,成長ホルモンが正常に分泌されず,身体的成長に大きく被害が及びます。
 月経がなくなります。骨の成長に問題が起これば背が伸びなくなります。
 若者や子供でも骨密度が80歳の方と同じようになります。(骨密度が回復するかはまだわかっていません。)
 女の子なら妊娠・出産そして更年期障害・老年期にまで悪影響が及びます。
 男の子でも当然成長期に必要な栄養がとれなければ問題が生じます。運動しているから大丈夫ではないのです。
 実は運動と食行動とは密接な関連があって,とくに男性の摂食障害は運動のし過ぎとセットになります。そして女の子よりも発見が遅くなり,治りにくく,予後が悪いのです。
 日本人の体型は昔と今とでは随分変わりました。高校球児をみれば一目瞭然です。
 痩せ志向に伴い摂食障害はありふれた病気になりました。
 しかし,その治癒には2~7年以上もの年月を要します。ドロップアウトしてしまう人も多いのです。治療は一進一退を繰り返します。家族や配偶者も治療に参加しなければなりません。

摂食障害治療に必要な内科・栄養の専門家 | 身体への悪影響

 栄養士もセラピストもどちらも食物や体重を扱います。
 食物に対する歪曲した思考や魔術的思考(妄想になっているときもある)は,頑固でなかなか消えないでしょう。栄養士もセラピストも協力して働きます。
 摂食障害治療に携わる栄養士について,アメリカではガイドラインを出しています。この項目は,25項目あります。
 読むといかに摂食障害の治療が命に関わる難しい治療であるかを感じさせされるものです。とくに神経性拒食症の場合,あまりに低い体重のため慎重な対応が必要になります。
 また,摂食障害によって栄養失調となりますから,その際の病気についても話合わなければなりません。
 これは栄養士が栄養学的・医学的根拠の上でクライアントにわかりやすく説明します。無月経や骨粗鬆症,抜け毛や,不妊,胃腸障害・他などの合併症です。摂食障害によっていかに健康被害がもたらされたのかわかってもらいます。
 チームで戦い,しかも家族や配偶者などの重要人物も治療の中に参加することを主張しています。とくに,「配偶者や18歳以下の子供の親は栄養カウンセリングに参加すべきだ」とキャロリン・コスティンは主張しています。(まだ子供ですから当然親が食事を作りますよね。)思春期の子供にとって栄養士は影響力が大きいかも知れません。
 栄養カウンセリングについての成果研究はまだ不十分です。しかし,摂食障害治療は食行動の異常がターゲットとなる分野ですから,栄養士の果たす役割は当然大きいことでしょう。
 キャロリン・コスティンは摂食障害治療には,内科・精神科医師,運動療法士も含めてチームとしてクライアイと働きかけるべきであると考えています。
 精神科医だけではなく内科の医師が必要なのは,深刻な合併症が伴うからです。カレン・カーペンターは心臓麻痺で亡くなっています。
 無月経や骨密度の問題,胃腸障害,電解質の異常等といった内科だけではなく,虫歯をはじめとした歯科疾患も入ります。