自己愛性人格障害 | 自己演出と誘惑性

他人から賞賛を引き出そうとするハンター

 彼らが自分を取り巻く世界から欲しいと思っているものは、賞賛の言葉です。「大したもんだ!」という感嘆の目つきです。彼らの魅力にすっかりうっとりとなってしまった夢中なまなざしです。彼らは周囲の人々に自分のギャラリーになって欲しがっています(そのような役目しか他人に期待していません。

 賞賛こそナルシストの自己愛の栄養となるものなのです。

 だから、彼らが他人にアプローチするときの、求めるものは自分に対する賞賛を引き出す、ということだけです。

 このように他人に対して、まずは自分の魅力を分からせようと試みます。そのため、やり方は、実に誘惑的です。自分の魅力的な部分を、他人に見せつけ、他人をころりと自分のほうへまいらせようとします。彼らは根っからの誘惑者であると言っていいでしょう。

 この「出会いばなに、自分を魅力的に見せかけるテクニック」は彼らの最大の持ち芸であると言ってもいいかもしれません。

 そのようなことに関しては、彼らは相当なテクニシャンです。

 ナルシストは自己演出が巧みです。相手によって演出を即座に切り替えることもできます。そういう器用さを自分の手腕であるかのように内心誇らしく思っています。彼らは素朴・自然体・ありのままの正反対です。

 他人を感心させたがっているナルシストたちは、自慢話をしたがるのが大きな特徴です。

 単純に自分が今までやった事の自慢話をしようとするもの、「俺はビッグになる」とでかい夢を語るもの、さらに「自慢している」姿勢をカモフラージュして、話のところどころにそれとなく自慢話をさらりと入れるもの、そのバリエーションはたくさんあります。自慢話をするにも、「自慢している」ことがすぐにはばれないように遠回しになることがあります。分かりづらく、「あの人は結局何を言いたかったんだろう」「さあ…自慢したかったんじゃない?」ということになる場合も珍しくありません。「自慢したがっている自分の姿」は隠そうとする場合も多いのです。

「一流」「ブランド」に繋がることを求めるナルシスト

 ナルシストは「ブランド志向」です。誰もが持っているようなもの、誰もが身につけているようなもの、など他の人と同レベルであることに強い不満を感じます。「英会話を勉強しに行くのなら、1番の大手校でなければイヤ」「旅行に行くなら、有名ホテルのスイートルームでなければイヤ」「鞄はこのブランドでなければイヤ」などという発想をしがちです。一流・ブランドなどの権威付けにこだわります。

 このブランド志向は、他人の感心を勝ち取るために使われることがあります。彼らは、自分をよく見せかけることには非常に労力を投下します。だがそれは、「自分に似合う服を探す」というようなこととはちょっと違うのです。

 彼らは、自分は社会のなかでのステータスが高い、ということにこだわっています。そのために、ブランド品を身に付けます。

 必ずしもオシャレ上手というわけではなく、ナルシストは、見栄えをよくすることよりも、ブランド品によって自分の社会的なステイタスを示すことの方を重視します。